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内野フライに限らず、フライが上がった場合は約束事が多くある。その中で特に大きなウェイトを占めるのが『優先権』だ。外野手の間に飛んだ打球などは、うまい奴に『優先権』をもたせるのが一般的だ。『優先権』のあるうまい奴が「オーライ!」などの捕る意志表示を示した時は、もう一方の外野手は捕れると思っても譲る。
ピッチャーフライが上がった場合、プロでは常識だが、ピッチャーは捕らないという約束事をしているチームは多い。ピッチャーの真上に上がったフライでさえ、ピッチャーは捕らないという意思表示をしてそこから逃げるように避けてゆく。これは、ピッチャーがフライを捕るより、内野手の方がうまいことが理由の一つ。ピッチャーは、投げることが仕事であり、その他は二の次となる。プロのピッチャーは、アマチュア時代、投げる球の優秀さについては注目を受け、高い契約金と年俸を用意され、入団を乞われる。守りがうまいという理由でドラフト指名されるピッチャーは一人もいない。
ピッチャーは、渾身の一球を投じて、フライに打ち取れば、自分の成功を手にしたことになるのでその瞬間ホッとすることが多い。一瞬ホッとした後に上を見上げたら「あっ俺捕れる」と思ってもすぐに次に行こうとする気が起きない。または、次への一歩が遅れる。そして、集中力をもって打球に向かうということが、内野手よりできにくい。
プロは素人には真似できないと思わせるプレーを見せ、子供たちには感動させ、あんな風になりたいと憧れさせることが、最もファンサービスであり、それがより野球への興味を引き、野球の発展につながる。最高のパフォーマンスこそがファンサービスだ。または、プロが見せる真剣勝負の裏の人間味、俺と同じことを感じたりしているんだとかプロも興奮したり、落ち込んだり俺と同じ部分があるんだと共感することに親近感をもつ。これは、おもしろくもないギャグやおふざけ、予定調和のパフォーマンスから感じるものとは違う。
2017-7-14 フライの声掛け 内野フライ編Ⅳ
また、キャッチャーだけが、ピッチャーを含む他の野手と反対の方向、つまりグラウンド全体を見る形でプレーしている。したがい、野手へ指示を出す仕事を受けもつことになる。指示を出す仕事をしているので打球に対する集中力が切れなく、フライに対してもピッチャーのように一瞬ホッとするようなことがなく、フライを掴み、アウトを掴みとろうと瞬時に動き出すことができることになる。
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