ただ、守備は球際とか言って数センチの差が明暗を分けるのだが、走塁の場合は、27.431mの塁間で次に行くか、いかずにとどまるか、という選択がほとんどだ。アウトかセーフのギリギリのタイミングで脚が生きたということはあるもののほとんどの判断が行けるかとどまるかで判断する。つまり、数センチのギリギリの勝負というのは、そう多いわけではない。だから、鈍足でも俊足でも3塁止まりという同じ結果がある。野球はベースにボールの到達より早く着く、もしくはタッチより早く着かないと生かされない。鈍足より何秒早いとか何メートル先に行くかではない。
2020-3-24 4度回ってくる打撃 何もすることがない可能性がある守備と走塁
守りは何もしない可能性があり、特に外野手は、打球が飛んでこなければ、カバーに走るだけですることがない。誰でも良い可能性があるのだ。守備の打球は、全く飛んでこない可能性がある一方、無限に飛んでくる可能性がある。しかも、やって当たり前の意識があり、一度ミスをすれば、試合展開を左右し、致命傷になりかねない。飛んで来ないかもしれない守備に重視しての選手起用には勇気がいる。はじめからこれだけ難しい打球がいくとわかっていればそりゃ使うけど。外野のワンエラーは、それが即1点、ランナーが残れば大量点につながる1割程度の確率のホームランより、そっちを大事にするという考えがあってもいい。本来はリスクのある起用法だ。
鳥谷は左打者なので、コントロールの悪い藤浪の速球も体の方に来るかもという恐怖はさほどない。左打者から右ピッチャーの球は見やすいので、体の近くに来ても避けられる。怖いのは右打者だ。特に藤浪は背が高く、手が長いのでリリースポイントが前になる。さらに、やや腕を下げて投げるので背中の方から来る感覚になり、右打者はなかなか踏み込んでいけない。踏み込んだ時、頭に来たらと思うと恐怖がある。まして、そもそもコントロールが悪く、その可能性が高い藤浪相手では、ハナから腰が引き気味でステップすることになる。
社会人NO.1ピッチャーでドラフト8球団指名を受けたが、いかんせん社会人野球から頭角を現した選手は、社会人野球自体の認知度が低いのでスターになりきれない。また、野茂は喋りが下手で、ぶっきらぼうのイメージがあるので人気が出にくい。福留は活躍しているが、スターとは言えない。中田も。ダルビッシュは入団時の悪いイメージがある。田中は斎藤とのペアで、という付録だ。高校時代活躍し、大学ではNO.1となって鳴り物入りの由伸も突き抜けなかった。鳴り物入りで入団し、さらにその名声を上げ、スーパースターとしての人生を歩んだのは、長嶋と松井、そして松坂の3人。
2020-3-27 タイミングを掴んで世に出るのがプロの世界
野手は基本、レギュラーが毎日試合に出る。したがい、レギュラーと控えの格差が歴然となる。その中で、レギュラーを獲得していくには、前任のケガや衰えといったタイミングでチャンスをものにしていくということがプロの常道だ。ドラフト1位、スター候補には特別な待遇を施すものだが、多くが這い上がる必要がある。
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