右ピッチャーの球は左ピッチャーよりは見やすいのでうしろの腕に当てることはないし、避けられるし、当たるとしても避けながらなので衝撃をやわらげることができる。見にくい角度から勢いのある球は体の近くまで球種はわからず、振りに行かないと間に合わないから手が動く。その後にシュートしたりして内側に来て、うわっと思っても、手を引っ込めるに間に合わない、ということになる。WBCではワンポイントが禁止されたことから右ピッチャーが左打者に打たれる、左ピッチャーが右打者に打たれる、というシーンを多く見る可能性が高くなった。そしてこのワンポイントが使えない事ゆえの、ホームランが決勝点になる可能性が高い大会となる。
これらとは別で野球界で使われることばで長く使われたことにより、本当にそういう意味なのか、と疑問がわく言い方がある。たとえばチームの一員を野球ではナインと言う。野球は9人で試合を行うので、ナインと言い、11人のサッカーはイレブンだし、15人のラグビーはフィフティーンだ。だが、これは試合に出場している9人を指すことばではなく、チームに所属する選手のことをナインと言う。チームに100人いても100人全員がナインだ。本来の9という意味から離れ、チームの仲間をあらわす言葉になった。
左ピッチャーが投じる球を右打者がライト方面へ打っても、それが流し打ちと言えるか。向かってくる球を反対に打っても流し打ちとは言えない。左ピッチャーの外角真っ直ぐでさえリリースポイントからは向かってくる球だろう。プレートの三塁側を踏んで外角に真っ直ぐを投げて、やっと外への軌道を描くと思われる。そうでない球は向かってくるため、たとえ逆方向へ打ったとしても打ち返す格好になる。これこそ押すように打つということであり、弾き返すことになる。
2023-2-17 WBCの野球は変わったことをしない 事を荒げない
選手個人のそれぞれの色が集合してチームの色、スタイル、目指す野球となるのが代表の野球なのだろう。代表は目指す野球に必要なピースを集めるチームとはならない。現在の人気と実力を備えた選手が自分の色を出してくれれば、それがそのままチームカラーとなる。間が多くあり、個々の対決場面が集約されゲームが展開する野球の性質からもこういう向きになる。