変化球についての考察を振り返る金曜連載6回目。
2023-8-18 変化球は握り(スプリット)、軌道(スライダー)、効果(チェンジアップ)にわかれる
2023-9-1 ツーシームとシュートの違いは そしてシンカー
2023-9-8 カットボールとスライダーの軌道 カーブは大きい曲線
2023-9-15 変化させない変化球チェンジアップ タイミングを外せばいい
変化球は握りと軌道と効果の3つに大別された。
変化球は下へと落ちる。
真っすぐも下へと落ちるが、下へ投げようと思っていない。
ダルビッシュがオールスターで阿部へ投じたワンシームは浮いた、とされた。
その下への落ち方の中で左右に行きながら、という球が加わる。
そしてこれにスピードの強弱がさらに加わる。
右ピッチャーのスライダーなら左へ曲がりながら落ちる。シュートならその逆。
フォークは打者にとって予想した軌道から急に落ちる、という概念だ。
これらの中に、カットボールやツーシームやスプリットなど昔は言わなかった、
あるいは認識されていなかった球種が増えた。
カットボールはスライダーよりスピードがあり、曲がりが少ない球、ツーシームは
シュートと一緒と言っていいが、シュートの中でも縫い目が二つ見えるように打者へ向かう球を言う。
ツーシームではない回転のシュートを投げるピッチャーもいるからだ。
スプリットはフォークより速く、落ちが少ない、といったところか。
だから右ピッチャーが左に曲げた球を「今の球はなんですか?」と聞く。
スライダーなのか、カットボールなのか、知りたいということだ。
見分けがつきにくいので、解説者も「カットですかね、スライダー系の球です」
と応えることになる。
昔はそんな表現がなかったから区別する必要もなかった。
だから球種としてはピッチャーが意図してカットボールのように小さい変化で
内野ゴロを打たそうという意図があっても、スプリットのような小さい変化でゲッツーを
とろうとする意図があってもいちいち言わなかったとも言える。
そして、解説者自身もそのピッチャーの持ち球にそんなものがあり、その意図を知らないからとも言える。
この球種が増えたことにより戸惑う解説者の中には、遂にここまで来たか、という
とんでもない表現を使う人が現れた。