昨日は確率を無視した戦略にて勝ってしまったWBCということを記した。
しかし、確率とともに時にそれを無視すべき瞬間がある。
2023-4-12 先発にこだわる 選考から采配までずっとヘタⅢ
2023-4-13 勝負をかけて動く 選考から采配までずっとヘタⅣ
2023-4-18 周東代走における走塁の基本 選考から采配までずっとヘタⅤ
2023-4-19 適切にピースを埋めて行く 選考から采配までずっとヘタⅥ
2023-4-20 負けたら終わりの戦いにローテーションはない 選考から采配までずっとヘタⅦ
メキシコ戦の村上の9回の打席。
無死で二人のランナー、1点ビハインド、ここは確率で言えば送ることが高いと思われる。
実際、あそこで送りバントを選択して二、三塁となったらサヨナラになっていた確率は高い。
だが、バントの不慣れな村上にバントのサインは出しにくい。
だからバントするなら代打という事になる。
だが、それよりなにより打席には絶好の場面で村上だ。
相手は右ピッチャー、その前の打者に四球を出している、
リードしているとは言え追い込まれているのはピッチャーの方、そして三冠王登場となれば、打て!だ。
国単位で世界一を決める大会で日本の三冠王に絶好の場面が回ってきて打たせる以外の選択肢はない。
日本にとっては願ってもない、これ以上ないシチュエーションのわけだ。こうなった時点で勝ったと言える。
これで村上が打てなくて負けてもそれは日本の野球がメキシコより劣っているという事だからいい。
三冠王に勝負を任せない選択をした時点で日本野球の負けと言える。
むしろ打たせることが確率は高いと判断できるだろう。
この場面で得点へつなげるに確率の高い作戦は送りバントではあるが、村上登場で
確率が高いのは諸条件を合わせ、打てであり、そしてそれでダメでも納得のいく打て、が正解と判断できる。
とは言え送りバントも頭をよぎる場面でもある。
村上に打たせることが確率高し、と言えるが、瞬間によっては確率より優先すべきことがある。
それがひらめきの瞬間だ。
勝負師のひらめきは、それまでのデータを超越した高確率をもたらす。
勝負師のひらめきの成功率は実は高い。