連載7回目。エースの登板回避と高校野球の姿勢。
2019-7-31 佐々木の決勝登板回避 論点はそこじゃない
2019-8-2 登板回避は日程緩和ですぐに解決できるが、それだけで事は済まない
2019-8-6 佐々木だから大事に投げさせなかったし、佐々木だから話題になった
佐々木の登板回避が大きな話題になるのは、高校野球には多くの矛盾をはらんでいるから。
100年以上続く高校野球では、問題とされることが議論になると、
細かいところでは変わることは多い。
最近では頭へのデッドボールは即、臨時代走を出すとか、暑い中、中断が長くなると
選手をベンチに戻すとか、ケガとは認められていなかった脚のつりも治療OKとか。
ここ、20数年で打者のバッティンググローブは当たり前になり、サングラスや
レガースといった道具の使用がどんどん認められた。
こういった些末な事の導入に躊躇はない。
大きな議論の対象となる日程変更や開催時期変更、球数制限といったことは
野球の、とりわけ高校野球の根本を変えてしまうから、導入にも勇気がいる。
それは伝統や歴史にもメスを入れてしまいかねないから。
一度途切れた歴史は取り返すことができない。
その中でも金属バットへの変更は大きな決断だったと思われる。
野球そのものの根本を変えた。
金属バットは上半身が強ければ打てるといった蔦監督は、選手にバーベルで
鍛えさせ、やまびこ打線は高校球界に衝撃を走らせた。
もともと、高校野球が金属バットを使用していて、それを木にしようと言うのなら
決断にそれほど苦悩はなかっただろう。それは原点に戻る行為だから。
木を使用していくことはお金がかかり、高校野球の存続にかかわる問題だからという
決断だったのかもしれない。
大きなルール変更という点では、タイブレーク導入があったが、
これは国際試合などでも取り入れられており、先例があったので比較的躊躇はない。
そして、選手たちの体の保護という大義名分がある。
そもそも、タイブレークは試合延長に際してとられることなので、
9回までは今まで通りの野球をやっており、いわばおまけのイニングのルールを
変えても野球の根本を変えることではない。
一方での矛盾も多く抱える。
それは明日へ。
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