まるで、初球の狙い打ちかのような打ち方、打球だった。ツーストライクから、初めて来た真っ直ぐを、その前に完璧にチェンジアップで空振りしておきながら、ホームランにするなど、まず見かけない。読んでいたのか。決め打ちしたのか。インコース打ちのうまい坂本の面目躍如だ。左ピッチャーだったから反応できた面はあるものの、広島バッテリーから見れば、左ピッチャーだからチェンジアップを有効に使えた。見事なホームランであり、広島バッテリーも驚いたろう。2番バッターの三冠王という初めてのケースが生まれるか。
2019-5-28 令和三冠王誕生か 2番アベレージヒッター坂本
ホームランを打たなきゃいけないとなると、ミスショットが増えるので、打率は必ず下がる。坂本の場合、ホームランバッターではないので、ホームランを狙う打席は少ない。坂本は今シーズン、センター前を意識していると言っているのに、現在ホームランダービートップということは狙ってはいないのに、パンチショットでオーバーフェンスできているということになるのだろう。中村のように角度をつけて飛距離を出さなくていいということ。だから三冠王が可能とみえる。アベレージヒッターが少年野球のグラウンドで打っている状態だ。秋山も引きつけて、パチンとひっぱたいた打球が逆方向のフェンスを越える。
新庄は、ずっと同じグラブを使っていたとされる。プロ入団時に買った数千円のものを使い続けていたと本人が発言している。練習の時などは、別のものを使用することはあったものの試合では同じものを使い続け、補修を繰り返し、阪神入団時の背番号63が刺繍された相棒とともにプロ生活を全うしたそうだ。引退にはグラブがもう限界という理由を付け加えている。これは外野手だからできる業。内野手で16年も同じグラブを使い続けるのは不可能だ。また、内野手は人工芝と土のグラウンドでも替えている選手もいる。
個人プレーの集合体である野球の方が自分の実力が通じるかを知りたい気持ちは強いように思われる。野球は個人の能力の差がどこまであるのか知りたい。サッカーの場合は、自分の実力を知るにも、それに合わせて動ける選手がいないと通用しているのかわかりずらいし、実力の発揮にいたらない。サッカーは、俺のセンス、技能に対応できる奴を求めてチームを探す必要が出てくる。そしてそれに対するどんな相手が、どれだけいるのかを経験したくて行く。この度、ドジャースマイナーと契約した北方はコメントで「ストライクゾーンに腕振って投げたら、どんな反応をするか、それが楽しみですね。そこでまたいろいろ考えて、違うレベルアップができたらいいなと思います。」と言っているのは端的にそれを表している。
根拠を持って考えた作戦が奏功することがスポーツであり、それが、その後の試合への勝つ確率を上げることにもつながる。セコイと言われがちなバントや敬遠は臆病、消極ではなく、勝つための積極策であり勝負に対する執念が呼ぶ勇気ある断行だ。
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