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2020年夏の高校野球 今週のダイジェスト

2020-8-10 青春を爆発させる2020年高校野球

この試合、終盤にリリーフした藤井はずーと泣いていた。悪ガキの面構えなのに試合中からずっと泣き通しだった。おそらく、同点の9回表に勝ち越しを許してしまって、9回裏も無死1塁で打席に立ち、バントを決められず、2ストライクからバスターエンドランとなったが、キャッチャーフライで送れずじまいとなってしまったことが背中に重くのしかかったのだろう。それでも味方が土壇場で追いついてくれ、延長戦に持ち込んでくれた。延長に入る前のグラウンド整備中、ブルペンにいたのだが、涙が溢れて、キャッチボールが出来なくなってしまった。おそらく、責任を感じていた所に味方が追いついてくれたので涙が止まらなかったのだろう。これからまだ投げなきゃいけないというのに、泣き通し。10回のマウンドでも必死に涙をこらえながら投げているように見えた。そして、サヨナラ優勝を決めた後、ベンチに下がってもずっと泣いていた。

2020-8-11 どんな状況になろうと高校野球の情熱は負けない

今年は甲子園出場権がないことで、世間の盛り上がりは圧倒的に少ない。当然、選手の熱も下がっていることは間違いない。それでも、用意されたこの大会を一生懸命、勝つために戦っている。その姿は例年と何ら変わらないように映る。きっと、どこか冷めた雰囲気をもって、プレーすることが多くなるものと予想していたのだが、負けたチームの中には悔し涙を流す選手を結構見掛ける。例年よりは少なく、激しくもないような印象は受けるが、それでも流している涙があるということは、真剣で青春を賭けた戦いということだろう。負けたことに悔しく、高校野球が終わってしまった現実に寂しさがこみあげてきているからだ。もう、この時間には戻れない。仲間と野球をすることはできない。目標に達せられなかった。色々な感情があり、負けた直後は絶望とも等しい、どうしていいか分からない状態になる。こんなご時世で誠に気の毒な彼らが負けて悔し涙を流してくれることに、むしろうれしくさせられ、ホッとさせられる。胸を打つ。大人に左右されたといってもいいこの境遇の高校生がその中で自分たちのやるべきことを燃焼してくれたのなら本当にうれしい。

2020-8-12 たった1試合の甲子園

思春期の高校生の感情は複雑に変化し、起伏に揺れるものなのだ。誰彼も甲子園を夢見、目標としているわけでもないのだ。所詮、高校生の部活動。部活動での目標を定めること、方向を決定するのは彼らにある。だから、外部の人間にはどうのこうの言う資格も権利もないのだ。アマチュアである彼らの活動に夏になった途端、口を挟む権利を得たかのようになるのは、高校野球がプロ養成機関であり、感動創造機関だという意識があるからだ。学校での部活動にいちいちうるさいよ、俺達の勝手でしょ、入ってこないで、と思って当然なのだ。

2020-8-13 中京 公式戦無敗で有終

新チーム結成以来、負けなしのチームならこの決定は相当なショックだっただろう。春、夏連覇すら狙っていたかもしれない。それが達成されれば、永遠の誉れとなる。それを奪われてしまった。相当なショックだっただろうが、チームは気持ちを切り替え、無敗で終えるという目標に切り替え昨日の智弁学園との戦いは延長サヨナラで制して、30戦ほどを一度も負けず、有終の美とした。春夏の甲子園を連覇したとしても無敗とは限らない。春はセンバツ大会なので、各地方大会を優勝したチームだけが集まるというわけではない。だから、負けているけど、センバツで優勝するということもあり得るのだ。さらに、秋は明治神宮大会がある。中京は明治神宮も制したが、ここで敗けていれば、センバツで優勝しても無敗とはならない。

2020-8-14 中京の驚くべき日程

中京の戦歴をウェブサイトで見ていたら、各地区で行われている独自大会が愛知の場合、決勝が10日だったようだ。それも準々決勝から3連戦だったようだ。つまり、8日、9日、10日と公式戦をこなし、12日に甲子園の1戦があった。その甲子園の1戦は午前中の試合だった。この過密日程の中、チームの目標である公式戦無敗を達成した。ところが、第73回愛知県高等学校野球選手権名古屋地区一次予選というのが始まっており、中京の1回戦は10日だった。そしてブロックチャンピオン戦が13日となっている。この大会はいわゆる秋の大会のことで、来春のセンバツにつながる大会ということだろう。中京は8,9,10日に夏の大会の準々決勝以降を戦い、同時に10日に秋の初戦をこなし、甲子園へ移動して、12日の午前中に延長戦の試合をこなし、13日の秋の2戦目をこなした。

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