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野球は脚のスポーツ 相手の弱点をつく 脚を必要としないキャッチャー 今週のダイジェスト

2021-9-13 野球は脚のスポーツだった

野球はベースボールという。ベースとボール、バットは登場しない。主役はまず、ボールだ。ボールを投げ、それをどう対処しようか、ということでバットが考案された。そしてベースとボールだからベースを駆け抜ける競技としてルールを整備していった。その創造過程としてボールからだから野球はピッチャーということになる。この出発点が後に多くの人を虜にする野球の仕組みが決まり、ピッチャーが勝敗を100%握る競技となった。他の団体競技で1人にこれだけ勝負の比重がかかるものはないだろう。

2021-9-14 相手の弱点をつく脚攻撃

そして極めつきは、川相のカットの位置だった。クロマティの動きから辻の3塁進塁には間に合わないと判断した川相は、1塁ランナーの2塁進塁を避けるカットラインに入った。つまり、左中間で捕球したクロマティと3塁に結ぶラインに動きながら、方向を変更して、2塁に近い位置になるよう脚を止めたのだ。そこで伊原3塁コーチは川相が右回りで1塁ランナーを気にする動きをしたらゴーさせようと瞬間的に思った。3塁で止まるだろうと思った川相が1塁ランナーの動きを気にして、3塁に目をやらないのを確認した伊原は回した腕を止めることなく辻を突入させた。

2021-9-15 脚の速さは必要とされないキャッチャー

そんな中、脚を必要としないとされるのがキャッチャーだ。よく野球を始めた頃、つまりは少年野球でチームを作る時、デブがキャッチャーに回される。理由としてはデブということは体が周りの選手たちよりでかいということで強い球を投げられる。肩が良いということになり、そして脚が遅いからだ。野村はヤクルトの監督に就任した際、身体能力が高く脚の速い飯田がキャッチャーであることにどうにもイメージと合致しなかった。

2021-9-16 ハイセンス選手はチームのかなめキャッチャーへコンバート

キャッチャーはサークル内しか移動しない。パスボールを取りに行くのは異常事態であり、脚が速くて早くに追いついたとしても進塁1つを防げるわけでなない。速かろうが遅かろうがワンベース与えるのは変わらなく、脚の速さは関係ないわけだ。カバーに走るのも異常事態だ。カバーが有効な機会はひと試合で一度もないことも多いし、あってもさほど速さは影響しない。小フライに機微に反応できるくらいが活きるケースかもしれないが、これもそう関係ない。

2021-9-17 黙っていることが潔いことか

これだけ毎年毎年、いわば同じことが繰り返されているのに人の心を掴んで離さないのは、共感だ。彼らが青春を賭してきた時間を共感できる。自分たちにもそんな時代があった、と。そしてスポーツというのは失敗することの方がはるかに多い。打っても思う通りに行くことは稀、投げても思った通りには中々いかない。思い通りの速い球を獲得するのに苦労がいる。遠くに飛ばすのも、捕るのも、そして一度のミスが試合を決める。決した試合は取り戻せない。ひと夏に人生が凝縮されている。悔しさ、寂しさを共感できるから選手の涙がコチラにも沁みる。わかる、わかるぞ、と。

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