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イチローが危惧した野球の行方Ⅴ

2020-10-22 イチローが危惧した野球の方向

2020-11-19 イチローが危惧した野球の方向Ⅱ

2020-12-3 イチローが危惧した野球の行方Ⅲ

2020-12-10 イチローが危惧した野球の行方Ⅳ

 

イチローが引退会見で言った”頭を使わなくてもできてしまう野球。”

打つにも守るにもでかい体を利しての大雑把な野球を言っているのだろう。

ピッチャーは体をでかくすれば球は速くなるし、デカイ手なら多くの変化球がものにできる。

打者は27個のアウト中で振り回し、チームで芯に当たるのが10本くらい。

その中でフェンス越えが数本出るだろう、という戦術。

野球や相撲といった体のでかさがものをいう競技に共通することだ。

細かいことは気にしなくなる。

 

一旦、体をでかくすると、小さくすることは難しい。

身体をでかくするということは、身体運動能力の減退につながる。

走ることを捨て、守備のポテンシャルを下げることになる。

それでも一発で複数点が入るルールなのでこちらの方が得策だと判断する。

ホームランは10回に1回くらい出れば、出場機会がもらえるし、100メートル先のフェンスの外に出せばいいし、

空中に浮かんだ打球は邪魔が入らないので、捉えた瞬間成功となる。

 

身体を極限まででかくすれば、意図していない打球でも成功となる。

あっちへいっちゃった打球でも100メートル先まで飛べばいいのだ。

差し込まれ気味でもフェンスを越えるのがわかっているので、差し込まれても思い切り振れば

あとは球に聞いてくれと入ってくれる。

100メートル先でいいから下半身は鍛えない。

上半身だけムキムキにすれば、バッティングが完成する。

マグワイアもボンズもそうして、禁断の薬物へと思考は向いた。

 

これが打者の勝ちと言い切れるのか。

こういったところをイチローは危惧していたのではないか。

ピッチャーとしてはたまらない。

差し込み、思い通りに投げ、投げ勝っているのに結果は完敗の烙印だ。

大谷や筒香のような打者が日本にもどんどん増えれば、今の球場では狭い。

少年野球の球場でアベレージヒッターが打っている状態だ。

 

スモールベースボールとかいうけれど、既存のルールが人間の発達に古くなったということ。

スモールベースボールなのではなく、既存のルールがブンブン振り回す野球を誘発させてしまっている。

 

もともとはスモールベースボールと言われているもののほうが本来の野球に近い。

外野を開放して野手を増やすか。

さあどうするか。

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