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おもしろいプレーを解説した今週のダイジェスト

2016.9.19キャッチャーのキャッチング技術Ⅳ

ピッチャーは、「あれ、ボールが行っていないのかな」「調子悪いのかな」と思ってしまい、さらに「なんか、今日調子悪いからだめだな」という思考になりやすい。だからキャッチャーは、たとえボール球でさえ、気を抜いて捕ることは避けたい。完全なボール球や抜けた球、気が入っていない球をてきとうに捕ってあえて、無言の叱咤、「てめえ、ちゃんと投げろ!」とピッチャーに伝えることがあるが、ピッチャーが入魂して投じた球が、ボール球になってしまったものは、しっかりキャッチングしてやり、いい音をさせ「大丈夫。今のはボールだったけど、惜しい。お前の球は来ている(生きている)次も入魂の球を投げろ」と伝えるのだ。これをされれば、ピッチャーは気持ちよくなり、一所懸命投げようとするのだ。

 

 

2016.9.20この夏、目にしたおもしろいプレーの数々。チーム作りに影響をあたえる。

花咲徳栄-大曲工戦。大曲工業1回の攻撃。先頭打者を歩かせた高橋に2番打者はバント。ボール球ばかり手を出し、2塁封殺。コントロールに苦しみ、アウトが一つもなく浮足立つ高橋を助けた。初回にまだひとつもアウトがとれていない状況でしかも、ストライクがとれないピッチャーに送りバントは得策でない。わざわざひとつアウトをあげて、落ち着かせることはない。三振しても待球作戦や強打でプレッシャーをかけ、ビッグイニングにして一気に勝負を決めてしまうことが大きな作戦のひとつ。立ち上がりの攻防こそもっとも試合の命運を左右する。

 

 

2016.9.21続・この夏、目にしたおもしろいプレーの数々。チーム作りに影響をあたえる。

フォアボールはナイスバッティングと表現すべきと感じる打者の粘りをよく目にした。ストライクを投げさせない。ボールを打たない選球眼。球数投げさせる。自チームを有利にさせる大きな功労だからだ。
最も打者にとって必要なことであり、ピッチャーが嫌がる打席を完成させたことになる。フォアボールはピッチャーのミスとは限らないということになり、高度なバッティング技術が出塁を勝ち取ったともいえる。ヒットよりも価値があるのがフォアボール。

日本代表に清宮の名はなかった。新チームが始動し、秋季大会が目の前のこの時期キャプテン不在となると早実は困る。日本代表漏れの清宮は昨年の悔し涙の借り、アメリカに勝つリベンジはお預けとなった。東京のピッチャーを打つより経験のない球を投げてくる海外のピッチャーの球を打つ方が日本野球の将来には有益とも思える。ただ、今回はアメリカはいないので、国際試合での経験が有益とも限らない。有限の高校野球でキャプテンとしてチームを引っ張る経験は人生の中ではとても濃い時間で野球の技術の向上同様、有益な時間。人間の器を大きくし、考えること、感情を豊かにすることは技術の向上にも生きてくる。

 

 

2016.9.23プレー解説、技術後継、広がる野球の未来

今度はそれを逆手にとるかのようなセンスある走塁というものがある。走塁は100%成功して当たり前、失敗は大きなミスであり、チームに落胆をもたらすという特徴がある。バッティングは、失敗しても3割でいいという概念がすりこまれている。しかし、100%成功を義務付けられがちな走塁は、失敗が許されないとなると保守的な行動になる。思い切った走塁が減り、安全なプレーを選択する。きわどいながらも次の塁を狙えば、セーフだったものを安全に、自重したら、これも本来、失敗と言える。ミスと言える。行ってアウトになることも失敗なら、行かずに釘づけも失敗だ。目的はアウトにならないことではなく、ホームを踏むこと、点をとることだからだ。一流の走者は一歩目の判断が優れており、ベースランニングがうまく、あっという間に、ダイヤモンドを駆け抜けてしまうと、相手守備がそのランナーを刺すことをあきらめてしまうことがおきる。そこで、さらにもう一歩優れたランナーは、一歩目を遅らせても間に合うと一瞬で判断を下し、わざとスタートを遅らせ、あるいは相手が刺そうとし、クロスプレーになるように走りながらスピードを緩めたりする。こうすることで、相手のミスを誘い、うしろのランナーをさらに進めることを可能とする。だから、最もうまい走塁とはスタートが良くて、ぎりぎりセーフの走塁ということになる。実は、スタートが遅く、判断がまずい奴と思われる選手がわざとそれをやっていたら、実は好走塁であり、走塁のうまい選手でセンスのある選手ということになる。

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