毎日野球コラム - 野球コラムサイト -

腕を振って遅い球 チェンジアップ効果

変化球についての連載も6回目になる。

2021-9-24 スライダーとカットボールの違い 変化球は握りと軌道と効果

2021-9-27 その軌道は? ツーシーム系とカット系

2021-9-28 カーブの軌道と縦のスライダー

2021-9-29 チェンジアップはまだ来ない バッティングには命のタイミングを外す

2021-9-30 どんなにすごい変化球もわかっていれば怖くない

気持ちがこもった素晴らしいストレートでしたね、と言われる。

気持ちがこもらず、同じストレートを投げられたらもっといい。

気持ちがこもっていないストレートの切れが良い、あるいは速く、伸びていたらこれの方がいいのだ。

気持ちがこもっていない棒球は打たれるだろうが、気持ちがこもった素晴らしいストレートより、

気持ちがこもっていない素晴らしいストレートは打てないだろう。

やる気がない投げ方で速い球が来たら打者は困惑する。

杉内は投球の際、脚をあげてボールを持った左手とグラブを持った右手を一度ポンと合わせる。

この動作はキャッチボールで肩をつくる際、多くの選手が無意識にやる行為のひとつであり、

内野手が送球の際、投げる前に一連の動作としてみかけるものだ。

つまり杉内はキャッチボールや送球のように見せたいという幻惑動作としてとりいれたのだ。

杉内は打者にどんな球が打ちにくいかを聞いたら、一番打ちにくいのは遅い球が来ると思ったら

速い球だったら、一番打ちにくいと聞かされた。

なるほどと、とにかく脱力してキャッチボールに近い投げ方を心掛け、そこから腕だけ振って

打者の手元で速く感じる球を投げようとしていた。

それでなるべくゆっくりしたフォームで、普段のキャッチボールと錯覚するような投げ方で

速い球を投げることで打者のタイミングを乱そうとしたのだ。

フォームによる緩急をつけることで球速以上に速さを感じさせるためだ。

腕を振って投げる理由は、腕を振らずに速い球は絶対に投げられないので、

腕を振って遅い球を投げられるようにして、同じ腕の振りで速い球と遅い球を投げ分け、

打者を幻惑して緩急をつけ打ち取るためということ。

チェンジアップは速い球を投げるぞ、と相手に思わせるほど効果がある。

それとは逆の速い球のチェンジアップ効果だ。

野球情報メールマガジン

https://twitter.com/yakyucolumn

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

傑作コラム

TOP