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やっぱり結果論 都合のいい表現「流れ」

‟流れ”について考察する木曜連載8回目。

2023-11-9 流れと言ってしまえば片付く 都合のいい表現「流れ」

2023-11-16 流れがあるのなら試合の行方がわかるはず 都合のいい表現「流れ」

2023-11-23 勝負は実力によって決まる 都合のいい表現「流れ

2023-11-30 結果論と展開 都合のいい表現「流れ」

2023-12-7 山あり谷あり逆転あり、だからおもしろい 都合のいい表現「流れ」

2023-12-21 統計で示した例はない 都合のいい表現「流れ」

2023-12-28 納得させられる気になる 都合のいい表現「流れ」

 

流れとは勢いとか何をやってもうまく行くという意味でなく、展開であり、ケースとしてとらえた方がいい。

流れと呼ばれるものを定義をもって、あるいは理解して使っている人はいない。

これまでずっと使われてきたからあるものと思い込んで使っている。

実態を説明できる人もいない。

定義を知り、説明できて使っていたら、次にどうなるか言い切れるということになる。

 

なんとなく経験から感じられたからということで、あるものと思い込み、人が昔から

常識のごとく言っているから存在すると疑わない。

流れという、あるのかないのかわからないもので上手く行ったら流れが向いていました。

上手く行かなかったらなんとか流れを止めました。

結果論だ。

 

それでは試合は全てが流れで決まるのか。


実力の差であり、戦略であり、作戦であり、ミスであり、読みであり、調子であり、

こういった、それぞれの要素を分析せず、流れの一言で済ませる。

都合の良い言葉だ。

 

この言葉に頼って、これを解説としている専門家は信用できない。

流れなどというどんなものかわからないものを解説と言えるのだから。

明確に流れの定義を”解説”した人を知らないし、せめてこういう流れではこうなるのでこうすべきと

流れを感知して次に起きうることを予言し、とるべき作戦を提案すればまだいいが。

 

流れと言っておけば、フワフワした表現だから言いきりにならずに責任がなくなる。

三人で終われば流れが来た。エラーをしたら、流れが向こうに行った。

結果が出る前は流れはこっちです、と言っていながら、相手に点が入ると流れが行ってしまった、で済ませる。

つまり、流れと言った時はチャンスが来ているチームを指すわけだ。

ほとんど結果論と言っていい。

流れがないのではなく、展開、力の差、ミス、偶然、全てを流れと言ってしまえば落ち着くだけ。

実態は誰もわからなく、昔から言っているからそう言っておけば異論がないとされている。

 

流れはこちら(リードしているチーム)にある、というのなら、こちらに点が入り続け、

または点をやらないはずなのに、点が入らず、失点すると、流れが変わったとか、

あちら(劣勢のチーム)が流れを引き寄せました、などと言う。

結果論。

 

また、流れを渡しちゃいけません、などと言って、ミスが出たり、得点できなかったり、失点すると、

流れをやってしまいます、流れを引き寄せなければいけません、として

逆にファインプレー、得点、無失点にすると、この流れはこの先試合を分からなくしました。

結果論。

 

流れがどちらかにあり、それをあるプレーで変わったかの如く言うが、それが試合であり、

得点することがあれば、失点することもある。ミスもあるし、ファインプレーもある。

流れで起きているわけではなく、それが試合だ。

 

フライを落としたら今は流れがこっちだから相手も落とすんですよね、

流れがこっちに向いているから間に落ちるんですよね。

ここまで言ってしまっては、今のフライは神様がいたずらしましたとか、

この球場には魔物がいますから、と言っているのと変わらない。

流れを持ち出すのなら、今は流れがこっちだから点が入ります、とあらかじめ言い切ってから。

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