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甲子園投げすぎ問題 チームづくりの根本が変わる球数制限 過密日程の課題 今週のダイジェスト

2018-8-27 甲子園投げすぎ問題 球数制限に二の足を踏む理由

このドラマを生んだのは、ひとえに高校NO.1ピッチャーの吉田がいたからという他ない。金足農の他の選手は平凡な選手たちで構成されている。野球はピッチャー1人で勝てるスポーツだから、というよりピッチャーで勝つ仕組みになっている。ここに球数制限が入ったら、金足農は甲子園にも出場できなかった可能性が十分ある。吉田のように能力の高いピッチャーには、どうしてもその力に頼ってしまい、投げてもらいたい。球数が重なり、球数制限が話題になるのは、将来性のあるピッチャーが酷使されるからであり、球数制限というのは、能力のあるピッチャーに課されるルールであるという皮肉。

 

2018-8-28 お金をかける決断で選手を集め格差が広がる球数制限 チームづくりの根本が変わる

高校野球を強くするには、というより団体スポーツを強くするにはお金をかけるのだ。お金をかけられる判断をした学校は環境を変えることで差をつける。高校野球でそれらのチームと差異がないのは高校生というだけ。公立高校や中堅強豪校は高校生活の中の部活動という位置づけだろうが、私立の名門は、部活動などという表現ではあてはまらないプロ養成機関や野球専門学校となる。ここへ、球数制限をどのチームにも同じ条件で取り入れると、選手を集められないチームが勝ち抜くことは難しくなる。一方、本人も周りもピッチャーの才能に気づかなかった選手がピッチャーを志、驚くほどの成長をするという産物が期待できる。

 

2018-8-29 高校日本代表VS大学日本代表 根尾はライトで 吉田はお休み 小園に一発

根尾は、プロではショートを希望している。ドラフト1位候補でショートをやろう、という選手が代表だとライトに入ってしまう。根尾ほどのスター選手が、本職以外をやるというのは代表とはいえ、高校では珍しいのだが、こういうことは、チーム力を最大にしようと思えば起きることだ。特に、ショートというポジションは、チームで一番センスのいい野手が担う。チームの中心選手であり、打撃力も高い選手が多い。それが、代表チームに召集となれば、当然ショートが本職の選手が揃ってしまう。今回も、根尾、小園、奈良間、日置と甲子園を沸かせた選手がショートでかぶった。だが、ここでまた便利なことも起きる。ショートをやる選手はハイセンスなので他のポジションもこなしてくれるのだ。だから、ショート小園、セカンド奈良間、ファースト日置、ライト根尾という布陣が出来上がる。いつの時代でも、このショート複数ということは起きる。プロの代表でも同様だ。

 

2018-8-30 俺たちの高校時代の青春の1ページ ほっとけ 球数制限の喧噪

それなのに導入がままならないのは、もう部活動の域を飛び出し、文化にまで発展してしまったから。観る側も子供の部活動としての目など、誰も持っていない。目線は、プロと同等の目で見つめ、それを興行として見ている。そこには、感動のドラマを求めたり、地元のヒーローを求めたり、日本野球発展の礎を求める目で見ている。この場でも、そういう見方をして、野球の質や選手の可能性について記している。本当は、ただの部活動なのだから、外部はほっとけって話なのだ。やっている側からしたら、俺たちの高校時代の青春の1ページに過ぎないのだから、テレビやマスコミで大きく取り上げて、ギャーギャー騒ぐな。プロじゃないんだから、勝手に写真撮ったり、勝手に批評するな、って話だ。ところが、もうそんなものは許されないほど日本の文化になった。だから、プロ予備学校や野球専門学校のような高校が出現する。たかが野球を看板にするだけで、有望な生徒が集まり、お金も動き、それだけでも学校経営が成り立つ。球数制限は、高校野球のこれまでの歩みを根本から変えてしまう出来事になるので容易に踏み込めない。だから、過密日程の方が無謀であり、こっちの方が取り組みやすい。

 

2018-8-31 試合ごとの間隔を空けられれば、球数制限などいらない 過密日程の課題

球数制限を導入することで、複数ピッチャーを抱える強豪校が有利になり、選手を集められない公立校や1大会に全てを賭けたいピッチャーがいるチームに不公平という多くの見方がある。ただ、これは公平か、不公平かは誰にもわからない。なぜなら、優勝とは最も優秀なチームに与えられる称号であり、その優秀さとは戦力が高いこと、つまり、優秀な選手が多いことも、その1つだからだ。優秀さとは他に、1人1人を比べたら、劣っているようでもチームとして勝負すると戦略に長け、勝つことができるチームとか、大エース1人を育て上げ、勝ち上がることとかもある。だから、今の球数制限もなく、短い期間のトーナメント戦で勝負することが公平か不公平かわからない。本当に強いチームを決めるのは、ワンマッチか、トーナメント戦か、リーグ戦か。高校野球はトーナメント戦を採用している。

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